「えがお」を捨てれば笑顔になれる。~もう、笑わなくていいよ~
「良すぎる愛想」が自分を破壊していることがある。
そのニセモノの「えがお」は、自分も他人もバカにしているんだ。
あいさつのテンションだけが、妙に浮き上がっている人がいる。
「こんにちは」とドアを入ってくるとき。
「さようなら」と帰っていくとき。
とつぜん、ふだんの会話とは全然ちがうテンションになって、他人行儀な感じになってしまう。
そんな人にたまに出くわす。
なぜ、そんなふうになるのかと観察していくと、どうもそういう人は、感情を抑えこむクセがある人のようだ。
うまく感情が出せない。
言いたいことが言えない。
「おとなしい」と思われている。
そして、どうもその根本には「嫌われたくない」という思いが底流にあるようだ。
だから、愛想笑いをしてしまう。
笑いたくもないところで笑ってしまう。
逆に、笑いたいときに笑い方が分からない。
すると、顔の「表情筋」の使い方がいびつになってくるから、からだ全体の使い方もいびつになってしまい、全体の動作がぎこちなくなってくる。
それが肩こりや腰痛につながっていることもあるんだ。
で、まぁ、そうなってしまったには、そうなってしまったなりの理由があるわけなので、そこは仕方ないとして、具体的にどうしていけばいいかということを考えていく。
それは
「笑わない」
ってことだ。
笑いたくもないところで笑わない。
イラつきを、ヘラヘラ笑ってごまかさない。
怒りを、あらわにする。
こういったアクションが、「自分の内面を大切にする」ってことにつながっていく。
笑いたくもないのにいつもニコニコ、いやヘラヘラしている人は「嫌われたくない」を抱えていることは上で書いたけれども、それとともに「嫌われないためにはこうすべし」というマニュアルも一緒に抱えている。
「笑わない」というアクションは、そのマニュアルごと捨ててしまうことなんだ。
「嫌われるのが怖い」というのは、たしかに人間の本能というか、誰でも持っている資質だと思う。
けれども、そればかりが先行して、「じぶんのほんとうの笑顔」まで忘れてしまうようでは本末転倒なんだ。
だから苦しいけれども「笑わない」を実践していく。
ただし、いつもニコニコして「ま、いっか」を口グセにしている人にとっては、「笑わない」という課題は、かなり高い壁となるだろう。
なぜなら、「笑わない」は、相手を不機嫌にさせ、しかもその相手から嫌われてしまうかもしれないからだ。
それは、相当にー死んだほうがマシなくらいにー怖いことだろうと思う。
けれども、「ただ自然に笑うということ」を取り戻すには、それしかないんだ。
今までに奪われてきた笑顔を復権するには、「笑わない」という勇気を出すことしかないんだ。
じぶんの軸、つまり「まぁ、よくない部分」までも犯されるような場合は、断固としてゆるさない。
「ゆるす」ことが大事だというのは、まずは「自分をゆるす」ということ。
「大切な部分」まで侵犯されながら、他人を許すのはお門違いだ。
まずは「怒れる自分」をゆるす。
そして、「笑わない自分」をゆるす。
それができてはじめて、目の前の人と「対等」のバランスが取れてくるんだ。
そしたら、「癒し系」なんてことばで、「何も言えない」のをバカにされたりしなくなる。
そこから、あなたの「こころからの笑顔」が花開き、そのときほんとうの意味での「癒し」を相手に与えることができるようになるだろう。
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