「からだをゆるめる」だけでは、おかしくなる理由。
「からだをゆるめることが大切」と、よく言われていますが、からだは「ゆるめる」だけでは片手落ちなのです。
ふだん緊張している方は「からだをゆるめる」と気持ちがよいのですが、そこに安住してしまうと成長・変化が止まってしまいます。
だから「からだをゆるめる」だけでは、おかしくなってしまうのです。
ぼくも大学生のころ合気道のハマり、その要諦は「力を抜くこと」だと聞くと、徹底して「からだをゆるめる」ことを始めました。
それまでは高校生のころから「筋トレ」をしていたのですが、「これは違う」と思い、スッパリと辞めてしまいました。
そして「ゆるめる」ワークをたくさんやったのです。
しかし、不思議なことに「ゆるめるワーク」をやりこむと、体調不良になることがありました。
からだが冷える、呼吸が浅くなる、吐き気がするなど、明らかに自律神経が乱れた症状が出てきました。
これはいかんと、ワークをやめると体調は戻るのですが、「ゆるみ」がなくなり、またカラダが緊張してしまいます。
ワークをする→ゆるむ→体調が崩れる→ワークをやめる→カラダ固まる→ワークをする
この無限ループに困っていました。
この無限ループから脱却できたのは、2014年にぼくが天才整体師とあおぐ先生から「インナーマッスル」の「ある考え方」を教えていただいたからです。
その「ある考え方」とは「からだを締める」という考え方でした。
そう、それまでは「からだをゆるめればいい」と思っていました。
けれども、「健康なからだ」「モチベーションを保てるカラダ」「エネルギーのあるからだ」は、ゆるんでいるだけではなく、「締まり」があるのです。
カンタンに言うと、
「内側が締まっていて、外側がゆるんでいる」
この状態がベストなのです。
気づいてみればこれは当たり前で、四字熟語でも「外柔内剛」という言葉があります。
つまり
「内側がしっかりしていて、外側がやわらかい」という状態です。
また内側と外側は、ある種の「シーソー」になっているところがあり、
「内側が締まってくると、自然と外側がやわらかくなってくる」
という特徴があります。
だから「外側をゆるめる」ことよりも「内側を締める」ことに重きを置けばいいわけです。
けれども「内側を締めるメソッド」というのは、ぼくが調べた限りでは少ないのですね。
だから「内側を締めることが大事だ」と気づいたものの、「具体的にどうしていいか」が分からなかったんですね。
そんな時にひらめいたのが「合気道」でした。
「合気道で使うエネルギーは”気”ではなくて”内側の筋肉”によるもの」と仮定して研究を進めていくと、合気道の技がグッと上達しました。
そして、このようなことができるようになりました。
それだけでなく、理論が明確になってきたので「再現性」が高まりました。
つまりセミナーに参加してくださる方が、このように「その場で技ができる」ようになったのです。
一般的に合気道の技は「すぐに出来る」「その場で出来る」ものとは思われていません。
「10年、20年と修業するなかで自然と身についてくる」なんて、まことしやかに言われています。
けれども、そうではなかったのです。
むしろ大切なことは、いちばん初めから「原理・原則・理論」を学び「できる!」という体験をすることです。
そして理論を学び、それを実践することで「内側の筋肉」に締まりが出てきます。
ここで面白いのは、技をかけるほうも掛けられるほうも、「内側が締まってくる」ということなんです。
これは、身体の持っている「共鳴の法則」によるものです。
技を掛けるほうが「内側の筋肉」を使えば、受け手も共鳴して「内側の筋肉」で対応することになります。
だからこそ、合気道の技には「整体効果」が認められるし、終わったあとには元気になっているのです。
むろん「非合理的で」「無理な力でやる」「カタチだけカッコいい」「強引な」「スポーツとしての」合気道では、怪我こそすれ、本質的には「元気」にはなりません。
「自然の理にかなった」「内側の力を使う」「やわらかい稽古」によって、はじめて「人と人がつながり」、それが元気のもとになるのです。
ぼくはそれを「からだがゆるむ合気道」と命名しました。
そして、ぜひ多くの人に「ふれて、つながって、ゆるむ」という体験をしてもらいたいと思っています。
武道ではなく「コミュニケーション技法」としての合気道です。
ぜひチェックしてみてください♪