ハラ生き道ができるまで その5 ~気を失いそうになる~
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大学生のころの自律神経の失調は乗り越えたものの、ふたたびおかしな症状に悩まされることになったのは、一人暮らしをはじめてからだった。
2005年の春、就職のため家を出て、岐阜県土岐市で一人暮らしをはじめた。
ぼくは書店に務めたのだが、シフト制で、朝9時からの勤務と、昼13時からと、昼15時からの勤務があった。
不規則な生活なので、はじめは体調が乱れないように気を付けていた。
しかし、1年もすると、つい心がゆるみがちになり、生活も乱れていった。
すると徐々に、ムクムクと自律神経系の症状が出始めた。
とくに顕著なのは、夕方くらいにかけてヘロヘロになってしまう症状。
なんとも言葉にしにくい不定愁訴で、
「生きる気力がなくなる」
「理由もなく怖くなる」
「布団の中に丸まっていたくなる」
というような感じだった。
ただ、面白いことにその症状は、現実逃避をして武術のDVDを見ていると復調に向かうことが多かった。
その意味でも合気道に救われたのだ。
その後、三重県津市、茨城県笠間市へと転勤にともない居を移したが、やはり自律神経的な症状はときおり顔を出していた。
とくに茨城にいるときは顕著で、朝の出勤前にトイレに入っていると、「ふぅーっ」と気を失いそうになることが何度もあった。
実際には、気を失いかける前に、お腹をググっと操作すると収まるので大事に至ることはなかったが、なかなかに不健康だったと思う。(仕事は絶対に休まないと決めていたので欠勤したことはない)
このときも、練習していた呼吸法によって救われた。
とはいえ、当時(2008年ごろ)は、まだまだ自分の身体のことをよく分かっていなかったので、カラダがいつ不調になるか、とても不安だった。
「健康のまま生きていけるんだろうか」
「この不安を一生かかえながら過ごすのかっ…!」
「不安が不安すぎて、いつか自殺してしまうかもしれない…」
ぼくは、そんな思いを抱えるようになっていた。
そんなときに出会ったのが石原結實さんの一連の書籍だった。
石原さんの本は極論が面白いというか、言い切りのクセがスゴイ!
「どんな病気も冷えが原因。だから温めれば治る!」的なシンプルすぎる理論。
ただ、アホなところがあるぼくのアタマは、その理論にすがった。
実際にリンゴジュースをよく飲むようになったり生姜紅茶を飲むようになったりしたが、それよりも大事だったのは
「温めればいいんだ!だから俺は大丈夫なんだ!!」
という希望がぼくの心に生まれたことだった。
その考え方じたいが、ぼくの心を温めていた。
理論が正しいか正しくないかというのは二の次だ。
人は心の底で「これで俺は大丈夫だ」と思えたとき、現実も「大丈夫」になってしまう。
石原さんの本をきっかけに、さまざな健康法の本を読むようになり、それで安心を得たのか、自律神経的な症状はしだいに鳴りを潜めていった。
ただ、ぼくの健康に寄与したものとして「健康法」以外にも、大切なことがあったのです。
それは、現在の妻 葉月と一緒に暮らし始めたことでした。
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